省電力化でレギュレーターがパンクする? (原因・検証・対策)
備忘録的なアレね。LED化する前にちゃんと考えておかないとな~と思って。
~灯火類の省電力化に起因するレギュレーターへの負荷増大を考察する~
よく、ヘッドライトやウインカー等の灯火類のLED化を行う弊害として、レギュレーターへの負荷が増えるという記述をWeb上で散見するが、Web上で実際にレギュレーターが焼損してしまったと記載されている車両はもう15~20年以上前の旧車ばかりであり、近年の車両はどうなのか謎だったので僕の125Rで調べてみることにした。
最近のオートバイのレギュレーターに共通していることだが、この車両も例にもれず、レギュレーターにはヒートシンクが取り付けられている。設置位置の風通しは悪くないが、ラジエーターの後方にあるため、走行風による冷却効果はあまり期待できそうに無い。
焼損事例が多数上がっている旧車の場合、ヒートシンクが無く、更にシートカウルの内側に配置するなど、その乏しい放熱性が焼損の原因なのは自明であったためメーカーも配慮した結果が今のレギュレーターの設置方法なのだろう。
早速検証作業に移行!
[概要]
使うマシンはCBR125R(JC50型)
気温5℃の日陰の下でレギュレーターに熱電対センサーを貼付し、同時にバッテリー電圧を監視しながらレギュレーターの最高温度を計測する。
省電力化実施前後でのレギュレーター温度の比較をするため、標準状態と灯火類を全てオフにした状態それぞれで測定する。
[測定値]
◆省電力化実施前(標準状態)
・バッテリー電圧:14.21V
・レギュレーター最大温度:38℃
◆省電力化実施後(灯火類オフ)
・バッテリー電圧:14.44V
・レギュレーター最大温度:54℃
いずれの場合もバッテリーへの充電が完了してから暖気完了後のアイドリング状態(約1500RPM)を維持して測定。
考察
今回検証した2パターンの消費電力の差は70Wなのだが、15℃近くレギュレーターの温度が上がった。これは、剰余電力量が増え、半導体の抵抗が増大し発熱したということに起因するのだろうが、思っていたよりも顕著に表れた。気温5℃のもと検証を行ったが、炎天下、気温30℃のような環境下ではレギュレーターの焼損や、そこまでいかなかったとしても発熱によるカプラーの溶解のような事象が起こる可能性は十分にあり得る。従って、灯火類を電球からLEDへ変更したりする場合は注意が必要なのかもしれない。
半導体の寿命と温度関係の間には、温度が上がれば上がるほど寿命が短くなるという相関関係がある。(下がる分には問題は無いが、絶対零度とかまで下げると当たり前だけど動かなくなる。CPUのガチOCするとき液体窒素とか使うでしょ。)従って、温度は上がらないに越したことはないため、温度を下げる方向で何らかの対策を講じておくに越したことはない。
対策方法を考える。
対策方法は風を当てる以外にない。
「やっぱり水冷だろ!」というキチガイみたいな兄貴は勝手にやって、どうぞ。
最も手軽なのが、モーターFANを使った強制空冷化。
レギュレーターのヒートシンクの上から冷却ファンを当てて固定するやりかた。
これと全く同様の事を行っているのがCPUファン。
おそらくコレで温度は下がると思うのだが、如何せんまだ未検証なので何とも言えません。
前の記事のテールランプLED化と同時に実行して、うまくいったら記事にしたいと思います。
では!
おわり。