グルービングを考える。
なんか、昔書いた記事が出てきたので、今更投稿しますね。はい。
グルービングを考える。
公道、特に山間部や峠などで二輪車を走らせる上で厄介なのがグルービングの溝。
特に問題なのが縦溝タイプのグルービングだ。
バイクはクルマと違い、コーナーでは一定の舵角で曲がらず、アウトインアウトのセオリーに従い走行する。
実際に、アウトインアウトという走り方は、理にかなっており、車体を倒すことにより生み出される遠心力を利用して地面をグリップし曲がっていくことになるのだが、
コーナーにグルービングがあると、溝が前後のタイヤを強制的に一定の旋回半径(舵角)に固定する。
ライダーの操作をオーバーライドしてしまうようなものだ。
これにビックリしたり、驚いて転倒してしまう事故が多いらしい。
実際に僕自身もグルービングは好きじゃない。
カブの2.5インチの細いタイヤで、転倒しそうになってから毛嫌いしているのかもしれない。
確かに、カブのように極端に細いタイヤの場合、路面の溝が与える影響も大きいのかもしれないが、
もっと排気量が大きく、タイヤも太い車両で走ってみても、接地感が薄いような気がする。
どうやら、4輪のように接地面がフラットで、接地面積も広いような場合は、グルービングの溝にタイヤが食い込みグリップ力の向上が期待できるらしい。反面、2輪のように断面が弧を描いたようなタイヤの場合、グルービングの溝に填まり込むことによって接地面積が激減してしまう。
グリップが薄くなる感覚は、このせいだと考えられる。
おそらく、グルービングを開発した人、導入した人は二輪車のことなんて全く頭になかったんでしょうね。
改善策としては、縦溝工法から、横溝工法に変更するっていう方法があるんだけれど、そうすると今度はコーナーに対して垂直方向(道路に対してアウト側)への踏ん張り効かなくなりそうで、車のドライバーが不安を感じるかもしれない。(法定速度内では問題ないだろうけど)
どちらの工法にしろ、設置面積が減ってしまうわけだから、ただでさえ設置面積の狭い2輪車の場合は、危険が伴うため、あらかじめ十分に警戒を促す表示を行うのが一番の事故予防策なのかもしれない。